auひかりが遅い理由を調べすぎて倒れた

auひかりは光回線の満足度ランキングでNURO光に次いで第2位となっており評判も上々ですが、なかには遅いと言った声も聞こえます。

結論から言うと、auひかりの通信速度には地域差があります。

なぜ、同じ光回線なのに地域によって差がでるのか?

なかなか情報が出てこずに何回もパソコンを閉じましたが、総務省関連の資料や関係者への聞き込みもして調べてみました。

今回は、かなりマニアックな内容です。

それでは、auひかりが遅くなる理由を探っていきましょう!

auひかりの誤解

auひかりは「ダークファイバーを使っているので速い」と記載されているサイトがほとんどです。

しかし、実際は「ダークファイバー」を利用していない地域のほうが圧倒的に多く、ほとんどがNTTの光ファイバーを流用しています。

もともとauひかりは、首都圏や線路沿いの電波障害エリアで提供している小さな光回線サービスでしたが、2012年から急速に使えるエリアが拡大しました。

なぜ、いきなりauひかりは全国展開できたのか?

そこには誰も語ろうとしない秘密があります。

自社線エリアとシェアドアクセスエリア

auひかりには、ダークファイバーを用いている「KDDIの自社線エリア」と、NTTの光ファイバーを流用している「シェアドアクセスエリア」があります。

・自社線エリアはインターネットが混雑しにくく、速度に期待が持てます。

・シェアドアクセスエリアはユーザーが多いため混雑しやすく、速度が遅くなりがちです。

エリアの判断基準としては、

auひかり10ギガのサービスの提供されているエリアは自社線エリアです。

2012年頃から急速に拡大されたエリアは、ほぼシェアドアクセスエリアです。

KDDIの提供するauひかりは、ダークファイバーを使わなければ10ギガのサービスを提供できません。

ダークファイバーについてはコチラをご覧ください。(KDDI公式サイト)

これからauひかりホーム10ギガが提供される予定のないエリアは、ほぼシェアドアクセスエリアとなります。

auひかりの自社線とは?

auひかりの自社線とは「KDDIが所有している自前の光回線のこと」を指します。

自社線エリアではNTTのフレッツ光を流用していないので、高速通信が可能です。

自社線エリアができた経緯

KDDIが提供するauひかりの自社線エリアには、東京電力と電力系通信事業者であるパワードコムが大きく係わっています。

2005年10月、KDDI、東京電力、パワードコムの3社が通信事業の統合化を行う発表を行い東京電力は光ファイバー網をそのままに光ファイバー通信事業をKDDIに譲渡することで通信事業から撤退しKDDIは関東地方において東京電力が持つ光ファイバー網を借用するというものであった[11]。

大手3社が統合し、KDDIが東京電力の光ファイバー網を使えるようになったんですね。

実際、KDDIの自社線を利用するauひかりホーム10ギガのエリアは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一部のみです。

※KDDI公式サイト

首都圏や都市部以外はシェアドアクセスエリアの可能性が高く、auひかりは全国的に「シェアドアクセスのエリアの方がはるかに多い」ということになります。

auひかりのシェアドアクセスとは?

シェアドアクセスとは「1本の光ファイバーを多数の利用者でシェアする方法のこと」を指します。

NTT東西が全国に敷設した光ファイバーを借り受けて各通信事業者がサービスを提供する方法です。

auひかり以外の利用者とも光ファイバーをシェアしているため、速度が遅くなりやすいというデメリットがあります。

シェアドアクセスエリアができた経緯

2011年まで光ファイバーはNTTが独占していたので、KDDIは全国的にauひかりを提供できませんでした。

KDDIがauひかりを全国展開するには、NTTの光回線が必要です。
しかし、NTTは「1本の光ファイバーだけ貸すのはダメ。8本セットでしか貸さない」と言って譲りません。
KDDIとソフトバンクは「そんなのNTTの独占市場じゃないか!と怒っていました。

各社は長年NTTと光ファイバーの貸し出し問題で対立していましたが、2011年にKDDIが急に方向転換します。

今回、KDDIが、従来の方針を撤回した理由は、じつに単純である。「実際に8本単位で借りても、やってみたらうまくいった。採算も合う」(田中社長)。実際、札幌市内では、NTTの局舎に専用の装置を置かせてもらい、NTTの光回線を借りて、NTTの「フレッツ光」よりも速度が出る「ギガ得」という新サービスを展開して約40%のシェアを奪っている。

あれ?NTTから8本セットで借りても採算が合っちゃったんですね。

そして、2012年から一気にauひかりの全国展開を推し進めます。

こうしてauひかりは日本全国で利用できるようになりました。

シェアドアクセス方式について

先程の記事に記載されていたNTTから光ファイバーを8本単位で借りるとは、

8本の光ファイバーを借りることではありません。

下記の図をご覧ください。

※参考資料:総務省 電気通信事業部/加入光ファイバに係る接続料について

1本の光ファイバーは最大で32分岐できます。

まず、1本の光ファイバーはNTT局舎内で4分岐されます。

それをさらに8分岐して各家庭まで配線します。(4分岐×8分岐=32分岐)

auひかりではNTT局内で分けられた、1本の光ファイバーの4分岐のうちの一つを借りています。

4分の1の光ファイバーは8分岐できるため、結果的に8本単位で借りているということになります。

シェアドアクセス方式が遅くなる理由

NTTの敷設している光ファイバーの最大速度は1.25Gppsで、最大分岐数は32分岐です。

auひかりは32分岐のうちの8分岐をNTTから借りています。

例えば複数の光配線区画で、32世帯の光回線ユーザーがいるとします。(1つの光配線区画では東日本では約50世帯をカバー/西日本は約40世帯をカバー)

※光配線区画イメージ(参考資料:総務省/加入光ファイバに係る接続制度の在り方について)

32世帯同時にインターネットに接続した場合、戸建て一件あたりの最大速度は39Mbpsになります。(1,250Mbps÷32世帯=39Mbps)

NTTの光回線を流用している以上、auひかり以外のユーザーも多いので遅くなるのは当然ですね。(※集合住宅では分岐された光ファイバを各部屋で分配)

光配線区画とは?
NTT東西が設置する加入光ファイバをシェアドアクセス方式によって利用することのできる地域のうち、1つの局外スプリッタがカバーする区域のこと(1つの局外スプリッタは最大8分岐)

auひかりが遅い場合の対処法

戸建てにおける光回線の速度は、理論上39Mbps以下にはなりにくいですが、せっかくの光回線が39Mbpsなんてひどいですよね。

auひかりの速度が39Mbps以下である場合は、シェアドアクセスエリアで利用している可能性が高いということになります。

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県以外の地域にお住まいでauひかりを使っている世帯では分岐数の問題とプロバイダの問題が重なっているものと思われます。

auひかりでは7社の中からプロバイダを選ぶことができるので、プロバイダを変更すれば良いのでは?と思ってしまいますが、auひかりでは契約後のプロバイダ変更ができません。

また、auひかりの通信は「デュアルスタック方式」を採用しており、プロバイダを経由せずにインターネットにアクセスするため、プロバイダの変更によって速度が変わることはありません。

まず周辺機器を見直し、古い機器を使っていないかチェックしましょう。

無線LANルーターは11ac対応のもの、LANケーブルはカテゴリ6以上を使うことを推奨します。

戸建てや広い間取りの部屋で、WiFiが届きづらくなっている場合は、ビームフォーミング機能がついている高性能なルーターや中継機を使うと通信速度が安定します。

周辺機器を見直しても速度が改善されない場合、エリアは限られますがNURO光への乗り換えが一番の解決策となりそうです。

auひかりマンションタイプ

auひかりマンションタイプは7種類で、速度が遅くなりやすいプランは3つあります。

1・マンションタイプV(VDSL方式/下り最大100Mbps)

2・マンション都市機構デラックス(VDSL方式/下り100Mbps)

3・マンションタイプE(LAN配線方式/下り100Mbps)

「タイプV」と「都市機構」は、建物の外までは光ファイバーですが建物の中は電話回線でつながれています。

「タイプE」は建物の外までは光ファイバー、建物の中はLANケーブルでの配線となります。

VDSL方式が遅い理由

「タイプV/都市機構デラックス」で採用されているVDSL方式の配線イメージは以下の通りです。

VDSL方式が遅い理由は、電話線が「電波干渉に弱いから」です。

家電製品のノイズが電源コンセントを通じてモデムに悪影響を与える場合があり、通信速度が低下します。(電子レンジ/冷蔵庫/蛍光灯など)

LAN配線方式が遅い理由

「タイプE」で採用されているLAN配線方式の配線イメージは以下の通りです。

マンションタイプEは、建物内がLANケーブルでの配線になるので電波干渉を受けにいですが、主に大型マンションで採用されているので利用者数が多ければ遅くなる傾向があります。

大型マンションは鉄骨造の建物なので、宅内のWiFiが届きにくいというデメリットも。

auひかりマンションタイプ別の速度改善方法

VDSL方式では電話線(モジュラーケーブル)への電波干渉の低減が主な改善策となります。

LAN配線方式では宅内環境(主にWiFi機器)の見直しやモバイル回線の利用を試してみるのが良いでしょう。

auひかりマンションタイプが遅くなる理由と解決策については関連記事で詳しく書いています。

気になる人はチェックしてみてくださいね!

まとめ

今回は、かなりマニアックな内容になりました。

auひかりが遅くなる最大の理由は「シェアドアクセスエリアで自宅周辺の光回線ユーザーが多いこと」です。

シェアドアクセスエリアの可能性が高いのは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県以外で、2012年以降にエリア拡大された地域です。

ご近所さんがauひかりユーザーしかいないといった場合、最大8分岐している可能性がありますが、残念ながら自宅周辺のauひかりユーザー数を確認する方法はありません。

auひかりの速度が遅くて困っている人は、NURO光関連の記事にお進みください。

auひかりマンションタイプが遅い場合は、各マンションで採用されている配線方式を把握した上で解決策を一つずつ試してみることが重要です。

あまり悩みすぎてもいけないので、今回のシェアドアクセスエリアや分岐数の話は参考程度にしていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

また次の記事でお会いしましょう!

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