
集合住宅の光回線は割安ですが、入居者でシェアして使うため、同じ建物内で光回線を使う人が多いほど遅くなる場合があります。
マンションタイプのインターネットが遅くて戸建て用の光回線を使いたいと思ったことはありませんか?
今回は、VDSL方式の光回線が遅くて困っている人へ向けて、集合住宅で戸建て用の光回線を導入する方法を紹介します。(※必ず管理会社や大家さんの許可が必要です)
■目次
VDSL方式の集合住宅で戸建て用の光回線を契約する方法
まずは戸建て用の光回線を引くメリットから。
戸建て用の光回線を導入するメリット
戸建て用光回線のメリットは「マンションタイプよりもインターネットの速度が速い」ことです。
ホームタイプはマンションタイプとは違い、入居者で光回線をシェアしないため快適なインターネットが期待できます。
階数制限をクリアしていることと工事許可が必要ですが、VDSL方式の建物に住んでいる人の最終手段になるかと思います。
(※注意点:比較的新しい集合住宅で採用されている「光配線方式」は戸建て用の光回線と同じ配線方式のため、変更する意味がありません。)
光配線方式以外のマンションタイプでは光回線を同じ建物内でシェアして利用するため、利用する時間帯によってはひどく速度が低下する場合もあります。
VDSL方式の限界
「VDSL方式・LAN配線方式」の設備では最大速度が100Mbpsなので、1ギガの光回線を契約しても100Mbps以上は出ません。
特に「VDSL方式」は日本で最も多く採用されている集合住宅用の設備です。(LAN配線方式は大型マンションなどに採用されています)
建物の外までは光回線ですが、建物の中は電話ケーブルでの配線になります。
光回線が電話回線に変換されていて、なおかつ入居者でシェアして使っていれば遅くなるのは当然ですね。
それでは集合住宅で戸建て用の光回線を契約する条件を見ていきましょう。
階数制限
2~3階までの建物であれば、集合住宅でも戸建て用の光回線を契約することが可能です。
2階までであれば階数制限はクリアですが、3階への導入によっては電線が邪魔だったり高所作業車が届かないなどの理由で工事ができない場合もあります。
工事許可が必要
賃貸住宅でホームタイプの光回線を使うには、建物所有者の「工事許可」が必要です。
管理会社や大家さんから工事許可を得るために、予め工事内容を理解しておきましょう。
工事内容
戸建て用の光回線は、光ファイバーを電柱から室内へ、まるごと一本引き込みます。
光ファイバーの引き込みには、電話配管や室内のエアコンダクトなどを利用します。
電話の配管やエアコンダクトなどの入線経路がない場合は、1cm程度の穴あけ工事となります。
集合住宅に光ファイバーを引き込む場合、穴あけ工事は避けたいところですが、配管利用やエアコンダクト利用の他にも入線方法があります。
・換気扇の隙間を利用
・通気口の隙間を利用
・TV配線の穴を利用
・玄関ドアホンの穴を利用
・部屋の小窓を利用 など
小さな隙間さえあれば穴あけ工事はしなくても良さそうですね。
管理会社や大家さんに工事許可をもらうコツ
工事内容が分かったところで、管理会社または大家さんに工事許可をもらいます。
工事には工事許可証明書などは必要なく、口頭で許可を取ればOKです。
管理会社または大家さんに「今度、光ファイバーの配線作業をするので許可を頂きたいのですが」と問い合わせしましょう。
(建物の所有者である大家さんに直接許可を取るのが一番早いですが、ほとんどは管理会社経由になると思います。)
このときに穴あけ工事のことも聞いておきます。
「ごくまれに1cm程度の穴あけ工事になることもあるそうなんですが、その場合どうしたら良いですか?」と聞くのがコツです。
「穴あけはダメ」と言われたら「もし、工事当日に穴あけが必要だと言われたら工事はしませんので」と付け加えましょう。
穴あけ工事の許可は無理に取る必要はありません。
工事許可が取れたら「管理会社の名前、電話番号、担当者の名前」を控えておくと良いです。
また、大家さんの連絡先が分かる場合は大家さんの名前と電話番号がわかればOKです。
(連絡先を控えておけば、穴あけ工事になった場合、工事業者から管理会社や大家さんに説明してくれる場合もあります。)
いざ申し込み
管理会社や大家さんから工事の許可が取れたら申込みをします。
申込フォームに必要事項を入力し、確認の電話がかかってくるのを待ちましょう。
工事前に確認の電話がくる
ネットで申込みをしたあとは必ず確認の電話がかかってきます。
そこで、光回線の速度を重視しているのでホームタイプで利用したいことを伝えましょう。
すると、「工事許可は取っていますか?」と聞かれます。
ここは事前に許可を取っているので大丈夫ですね。
穴あけ工事の許可が取れなかった場合は「穴あけ工事はNGです」とはっきり伝えましょう。
こうすることにより、工事前に現地調査が入ることがあります。
現地調査をこちらからお願いするのもありです。
現地調査では穴あけ工事なしで光ファイバーを入線できるかどうかを調べてもらえます。
工事ができない場合は工事費が発生しない
光回線は工事が完了した時点で工事費が発生します。
穴あけができない場合や何かしらの入線トラブルがあって工事が出来なかった場合、契約は破棄されます。
工事の時点で穴あけが必要だと判断された場合は諦めるのが賢明ですが、事情を大家さんや管理会社に説明して許可が取れれば先に進める可能性もあります。
大家さんや管理会社と交渉が必要な場合は、穴あけは1cm程度ということ・防水処理が行われること・撤去時には穴は塞がれることをしっかりと説明しましょう。
退去時に光ファイバーの撤去が条件で工事許可を取った場合は、解約時に光ファイバーの撤去を申し入れることが必要です。
フレッツ光(NTT東西)は柔軟に対応してくれる場合がある
NTTでは、これまでに様々な光回線の工事を手配しているので、比較的難しい工事にも対応してくれることがあります。
受付オペレーターに「集合住宅に住んでいるが、インターネットの速度を重視しているために戸建てタイプを利用したい」と伝えましょう。
速度的に言えばNURO光やauひかりがベストですが、エリア外に住んでいる人や光コラボの戸建てタイプの工事が出来なかった方はフレッツ光で申し込むのも一つの手です。
フレッツ光が開通したあとは光コラボに転用ができる
フレッツ光で開通させてから光コラボに転用し、スマホのセット割を適用させるということも可能です。
フレッツ光の開通工事費の残債は、転用先に引き継がれます。解約金はかかりません。
光コラボには、スマホとのセット割ができるドコモ光・ソフトバンク光や、auスマートバリューが適用されるBIGLOBE光・@nifty光があります。
転用の事務手数料は2,000円で「工事は発生しない」ので簡単に光コラボへ転用ができます。
フレッツ光から光コラボへ転用する場合に工事は発生しませんが、NURO光やauひかりに乗り換える場合には再工事が発生します。
現在フレッツ光や光コラボを利用している世帯でNURO光やauひかりを使う場合は、光ファイバーが2本引きになります。
NURO光を集合住宅で使うには
NURO光は世界最速の光回線です。
これまでNURO光マンションタイプは7階建て以下の建物でしか使えませんでしたが、2019年1月17日より8階建て以上の建物でもNURO光マンションミニタイプが使えるようになりました。
詳しくは関連記事をご覧ください。
auひかりのホームタイプを使うには
auひかりのホームタイプは2階までの対応となります。
3階以上に住んでいる人は、auひかりのホームタイプを利用できません。
auひかりマンションタイプが導入されている建物で、ホームタイプを利用したい方もいると思います。
この場合はフレッツ光の工事同様、室内に光ファイバーを直接引き込みます。
電話の配管や、エアコンダクト・通気口を利用しての工事になります。
もちろん工事許可が必須です。
開通してから利用中の光回線を解約する
戸建てタイプが開通する前に、利用中の光回線を解約してしまうと、万が一工事ができなかった場合ネットがなくなってしまいます。
工事ができなかった場合も考えて、現在のネットは一時的に残しておきます。
ホームタイプの工事が完了してから、現在利用している光回線を解約しましょう。
まとめ
さて、今回は集合住宅で戸建て用の光回線を導入する方法をご紹介しました。
2~3階までであれば、マンションやアパートに住んでいてもホームタイプの導入は可能です。
住んでいる建物がVDSL方式でインターネットが遅すぎるという人は、試しにホームタイプの光回線を申し込んでみても良いかもしれません。
ホームタイプは毎月の料金がマンションタイプより高いですが、入居者でシェアしない分、回線速度に期待が持てます。
多少手間はかかりますが、工事が完了しなければ工事料金は発生しませんので、チャレンジしてみる価値はあると思います。
ホームタイプが開通すれば、遅すぎる光回線とはおさらばです。
必ず管理会社や大家さんに「工事許可」を取った上で申し込むようにしましょう!